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兵庫県 谷口牧場様

ユーザーの声

2021/8/31

兵庫県宍粟市で但馬牛の肥育をされている谷口牧場の谷口皓大さんに、飼養管理へのこだわりと今後の展望についてお話を伺いました。谷口牧場様では、県内トップクラスの神戸ビーフ率と非常に生産成績が安定されております。また、早くからカシューナッツ殻液に注目し、谷口牧場様も給与試験にご協力いただきました。

―本日はどうぞよろしくお願いいたします。

農場経営のこだわりについて

―お肉づくりのこだわりについて教えて下さい。
うちは『サシを入れることよりもおいしい牛肉づくり』を意識してやっています。やっぱり、自分が食べておいしい牛を作りたいじゃないですか? A4~5でBMS6~10クラスを作って、しっかり売ることが大事だと思います。『1口食べて満足してしまって、もういいや』と思ってしまうサシの多いお肉は自分が食べてもおいしいとは言えないですよね。

―確かに、私も納得のお考えです。出荷先にもこだわりがあるとお伺いしていますが
そうですね、うちの牧場で育てられる雌の但馬牛の大半は東京老舗店『浅草今半』さんに使っていただいています。サシの多さではなく肉本来の赤身のおいしさを大事にしているのは出荷先に対するこだわりでもあります。

―今半さんに行けば谷口さんのお肉が食べられるということですね。神戸ビーフとなると海外の需要も高そうですが、谷口さんの但馬牛(神戸ビーフ)は海外へも輸出しているのですか?
やっています。但馬牛の去勢牛は輸出向けがメインで、海外のニーズとしてはA5ランクのBMS10~12のサシが多い肉が好まれています。そのため、雌と去勢では同じ農場でも飼養管理が異なる部分がありそれぞれ育て分けています。その点もこだわりの一つですね。

―経営に関するこだわりについても教えてください
うちの牧場では『耕畜連携』を大事にしています。農場近くの水田で収穫した稲わらを乾燥させ、肥育中期から後期の但馬牛に給与しています。そして農場で作られる堆肥は水田に戻すことでエサ、堆肥の地産地消も実現させています。なので、稲わら収穫の季節は忙しくなりますよ(笑)。

カシューナッツ殻液製剤について

―カシューナッツ殻液製剤使用の経緯についてお聞きしてもよいでしょうか?
以前に兵庫の試験場で製品の評価試験をやっていた頃からモネンシンを使わない飼養管理に良さそうな素材ということで注目していました。農場としても、海外輸出の関係で抗生物質に頼らない肉牛生産を目指していて、そこに合致したのがカシューナッツ殻液製剤だと思っています。

―きっかけは抗生物質に頼らない飼養管理という観点だったのですね。カシューナッツ殻液製剤の使用感についても是非教えてください。
変化点についてコメントをすると肥育中期の便の状態が安定するという印象です。カシューナッツ殻液製剤がルーメンや腸管の健康サポートに役立っているのではないかと考えています。

―特に肥育中期での飼養管理に役立っているような印象でしょうか?
そうですね。肥育中期はビタミンAを切ってギリギリの飼養管理をするのでどうしても便の状態が悪くなりやすいです。そこでカシューナッツ殻液製剤が役に立っていると感じています。現在では、カシューナッツ殻液製剤を給与していても肥育中期の便状態が悪くなっているようであればビタミンAコントロールを緩和するようにしています。逆にいうとカシューナッツ殻液製剤のおかげでビタミンAコントロールをギリギリまで攻める事が出来るのではないか?と考えています。

最後に

―今後の展望についてお聞かせください
但馬牛の雌牛については、肉本来の赤身の旨味にこだわっていきたいと思っています。これは、親の代からとても大事にしてきたことで、但馬牛の雌は今半さんと契約しているのでこだわりが強い部分だと思っています。繰り返しになりますが、自分が食べたいと思える小ザシのお肉を作ることを意識しています。そのため、定期的に肉の買い戻しをして自分の舌で味をチェックしています。但馬の去勢については主に海外向けになるので、海外ニーズにあわせてサシの多い肉質を作っていきます。去勢、雌で育て方を変えて二刀流で頑張っています。

―お肉の味を定期的にチェックされているとお聞きし、こだわりの強さを感じます。どういった頻度で買い戻しをされているのですか?
チェックのタイミングは、個人的に良いと思った牛や添加剤やエサを変えた際がメインですね。自分で納得した味で自信をもってお肉を販売したいという気持ちが強いです。

―なるほど、ちなみに気になっていることがあるのですが、カシューナッツ殻液製剤を入れることでのチェックもされたのですか?
はい、添加剤有無についての肉のチェックもしています。卸業者からは、カシューナッツ殻液配合製品も取り込んだ飼養管理にしてからは『肉は良くなっている』と言われているので、感触は良いですよ。

―本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。(取材対応:出光興産㈱田森)


■農場の概要
・従事者 谷口隆博さん(父、代表)、谷口皓大さん、従業員4名
・飼養頭数 肉用牛(肥育)470頭(但馬牛:410頭・うち去勢250頭、雌160頭、県外牛60頭)
・耕作地 285ha(水稲栽培により稲わらを収穫)
・施設 牛舎6棟、堆肥舎2棟、自動給餌機3台

■農場の歴史
・平成元年   隆博さんがUターン就農(肉用牛170頭:黒毛和種30頭、乳用種140頭)
・平成10年頃  肉用牛300頭規模に(黒毛和種160頭、乳用種140頭)
・平成22年頃  全頭黒毛和種肥育に移行
・平成24年   神戸ビーフの海外輸出開始
・平成25年   皓大さんがUターン就農

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