BUSINESS

事業内容

当社の強み

当社グループでは、「研究開発力の強化」を通して、「国内外事業の収益拡大」を図り、これを原資として「財務体質を強化」し、それを「更なる研究開発力の強化」に結びつける、この成長サイクルを継続していくことを基本的な経営戦略としております。

成長サイクル

3つの特長

  1. 有力な原体を保有
    研究開発型企業として、これまでの最も大きな成果は「有力な原体を保有」していることです。当社は、自社開発のみならず、導入・買収といった手法を駆使し、原体ラインアップの強化と原体の持つ収益力の最大化に取り組んでいます。原体の力をフルに活用することにより、以下の販売・生産体制をとることが可能です。
  2. 最適生産体制
    当社グループは、生産量が多くスケールメリットを享受でき、技術的差別化が可能なダコニール関連製品以外は外部への製造委託を基本方針とし、設備投資の抑制・原価低減と需要変動への柔軟な対応が可能です。
  3. 提案型販売体制
    当社グループは、原体を主力とする農薬メーカーであるため、同業他社への販売比率が相対的に高くなっています。 そのため、他の農薬メーカーの開発部門と対等に交渉できる“技術営業”のスタイルを採用しており、 少数精鋭のスリム化された体制で、必要な営業機能を満たしています。

有力な原体を保有することのメリット

  1. 登録による長期独占性の確保
    農薬取締法で定める登録制度により他社の新規参入は容易ではありません。また、特許化されている原体については、特許制度による独占性も併せて確保できます。
  2. 事業展開の多様性
    自社が保有する原体であれば、自社独自での製剤化はもちろん、他社との共同開発などの形で、原体の力を武器に様々な展開を図ることが可能となります。
  3. 収益性
    一般的に、原体を他社に販売する場合、その独占性から、大きな利益を得ることができます。一方、他社から購入した原体を使用した製剤の利益率は低くならざるを得ません。
    自社で原体を保有することにより生産・販売体制へのメリットがあり、有力な原体をどれだけ保有しているかが、競争力の源泉となります。

殺菌剤ダコニール関連剤

ダコニール倶楽部バナー

当社は1968年にダコニール原体TPN(テトラクロロイソフタロニトリル)を製造する会社として設立いたしました。TPNは複数の作用点を持つため、これまで全世界で長年にわたり使用され続けておりますが、これまでに耐性菌の報告はありません。そのため、ダコニール1000を代表とする単剤は薬剤耐性菌対策の基幹防除剤として、あるいは異なる原体との混合剤として世界中で広く使われ続けており、今後もその市場は拡大して行くものと見込まれております。

水稲除草剤原体ベンゾビシクロン

Bロゴと構造式

ベンゾビシクロンは当社が発見・開発し、2001年に上市した水稲用除草剤原体です。イネに対する安全性が高く、カヤツリグサ科や一年生広葉に加え、イボクサ、アシカキ、サヤヌカグサ等の匍匐性雑草などの幅広い雑草に対して高い除草効果と優れた残効性を示します。ベンゾビシクロンは4-HPPD(*)阻害作用を持つ除草剤です。4-HPPD系除草剤は、当時は薬害等の問題から水稲分野での開発が非常に困難であったものの、つくば研究所における粘り強い合成探索、生物効果検定、みのり農事試験場での圃場試験を経て、水稲分野において低薬量で高い効果・安全性を示すベンゾビシクロンが見出されました。
ベンゾビシクロンは世界中の水稲栽培において問題となっている除草剤抵抗性雑草に対しても優れた効果を示します。2006年韓国登録、2017年アメリカ登録、コロンビア登録と世界展開を進めており、世界でも高い評価を受けております。

*4-HPPD: 4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(4-hydroxyphenylpyruvate dioxygenase)は、ユビキノン生合成、チロシン、フェニルアラニン代謝酵素の一つで、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸からホモゲンチジン酸への酸化反応を触媒する酸化還元酵素。4-HPPD系除草剤は、この酵素を阻害することで植物体が白化し、枯死に至る。

アセト乳酸合成酵素(ALS)阻害剤抵抗性雑草に対する試験例

対象雑草ALS抵抗性ホタルイ
処理時葉齢発生前、処理28日後
無処理、ALS阻害剤A2/3量、標準薬量
ALS阻害剤B2/3量、標準薬量
ベンゾビシクロン2/3量、標準薬量